真空成形(真空成型)・
圧空成形(圧空成型)・
プレス成形(プレス成型)
について

型のコストや
起工時間を抑えながら、
様々な形状に対応できる
代表的な成形方法です。
真空成形・圧空成形とは、フィルムやシート状の樹脂素材を加熱軟化させ、型に密着させるプラスチックの代表的な成形方法です。
射出成形などに比べ、金型製作が安価で早く、様々な形状の製品に対応できます。
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真空成形(真空成型)とは
真空成形は、樹脂を用いて高精度な製品を効率的に製造する技術です。特に、自動車製造においては、内装パネルやコンソールカバー、トランク内装部品など、軽量化や複雑な形状が求められる部品の製造に適しています。この技術では、加熱して柔軟性を持たせたプラスチックシートを型に密着させ、型表面の空気を吸引することで製品を成型します。シンプルな工程ながら高い再現性を持ち、さまざまな設計ニーズに応えることができます。
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圧空成形(圧空成型)とは
圧空成形は、加熱して柔軟にしたプラスチックシートに外部から空気圧を加え、型に密着させることで製品を成型する技術です。真空成形よりも高い圧力を使用するため、細部まで精密な仕上がりが可能で、耐久性や機能性が求められる製品に最適です。この技術は、複雑な形状や薄肉化された部品、さらにはデザイン性を求められる製品にも対応でき、幅広い分野で利用されています。
圧空成形(圧空成型)・
単発
圧空成形とは、加熱軟化させたシートを3~10Kg/㎠の圧縮空気で型に密着させ、目的の形状を得る方法です。

圧空成形・単発の特徴
型に接する面を製品表面にすることで、射出
成形と同等のシャープな表面形状の成形が可
能で、アンダーカットやリエントラント形状の
成形が可能です。
圧空成形・単発の流れ
圧空成形・単発の製品事例
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医療機器
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計測機器
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カードリーダー
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分析機器
プレス成形
(プレス成型)
プレス成形とは、加熱軟化させたシートを上
下の型で加圧し、目的の形状を得る方法で
す。

プレス成形の特徴
凹型・凸型で材料表面を型に密着させずに成形することが可能で、透明品や看板などの製品に最適です。
また、真空成形・圧空成形では成形が困難な伸びの悪い複合材料(不織布など)の成形も可能です。
プレス成形の流れ
知っておきたい
メリットデメリット
成形方法の中でも一般的な「真空成形」「圧空成形」について、対応できる材料や使用する型などのポイントをご紹介します。

真空成形・圧空成形は、
多様な材料に対応
使用可能な材料は多岐に渡ります。代表的なものはABS・AES・PCなどですが、複合多層材料や印刷加工された材料も対応できます。
材料事例
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シボ
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パール
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メタリック
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石目
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木目
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布地調
真空成形・圧空成形は、
アルミなどの金型を使用
成形にあたっては、木材の型や樹脂型、ア
ルミなどの金型を使用します。
また、型の素材だけでなく形状にも種類が
あり、成形する製品の寸法の取り方やデザ
インに合わせて選択します。
型の材料の選び方
型の材料の選び方は、試作用、量産用によって長所短所は異なりますが、材料費、加工費の違いや製作日数に差が出ます。
また、強度・耐久性の問題やヒビ割れ、ソリの発生などの短所もあるため、選び方は作りたい製品の形状や精度、コスト等によって変わります。
真空成形・圧空成形の
メリットデメリット
メリット
・型費が安い
・金型製作期間が短い
・部分的なデザイン変更が容易
・大型サイズの製品ができる
・小ロット生産が可能
・複合多層材料の成形が可能
・多彩なシートに対応
デメリット
・射出成形と比較し製品代が高い
・サイクルタイムが長い
・寸法精度にバラつきが生じる